2025年6月25日

UTC R-110 ( POWER TRANS ) 備忘録

 

UTC R-110 未使用の新古品 ( New Old Stock ) です。

一つだけしかない、とても古いNOS箱入電源トランスです。刻印がチョット素敵です。 古い一つだけトランスを集め、モノラルアンプが作れないか などと思い、昔に入手したストックを家宅捜索してみました。

VERTICAL SHELL TYPE 電源トランス 4本のねじで取付ますが、取付部分のフレームが曲がっていましたので、養生しプライヤーで修正しました。

 



箱のサイド部分が、しっかりと金属で補強されています。

 


フレームをウエスで綺麗にしました。

とても綺麗になりました。 

  

 

ケーブルの様子です。

マスキングテープを巻き、端子の記載をしてみました。古いケーブルは色が不鮮明で注意が必要です。データーシートでは、5V2Aは黄色となっていますがまるで赤のようで、赤の300Vのリード線は黄色のように変色してます。古いケーブルは強く曲げるのは危険ですので、ゆっくり丁寧に扱いましょう。

また導通確認の為、DCR測定も行いましたが、古い製造のトランスは使用直前に再度確認が必要かと思います。

DCが流せない信号用トランスは注意が必要ですが、これは抵抗値を計測しても直流磁化は大丈夫です。この値を参考に不明な電源トランス端子を憶測できるかもしれません。

DCが流せない信号用(交流)トランスはL値(インダクタンス)のみ計測してください。 

 

 


 

上記2枚のデータシートが、R-110の箱に同梱されていました。
同梱されたデーターシートには、このRシリーズ TYPE "R" OUTPUTSの記載もあり、多くはP.P Shingle 兼用のUNVERSAL タイプ (R-27,R-38,R-38A,R59,R-60)ですが、P.P専用のR-28やSingle 専用のR-58もあります。記載された球も 31,33,46,47,2A5,59,79,89,6E6,6Y7G,71A,10,41,42,2A3,6A3,6A5G,6B4G,6F6,6V6,6L6等々、多くの古典球があります。 

 

UTC R-110 仕様 

PRI : 117V 50/60Hz ( BLACK LEAD )

SEC : 300V-0-300V 50mA ( RED RED  Red-White Center Tap )

          5V 2A ( YELLOW YELLOW )

          6.3V CT-2.7A ( GREEN GREEN  Green-White Center Tap ) 

VERTICAL SHELL TYPE では、一番小型の電源トランスです。

仮にPRIに100Vを接続しますと、SECは各約86%の258V(300V)、4.3V(5V)、5.4V(6.3V)となります。実際にcollins等、球の無線機を使用した感じですと、それでも十分使用できました。家庭用電源は常に100Vぴったりが供給されている訳ではなく、一般的に夜間の電圧は高いです。

 

・手持ちの安価なLCRメーターで、DCRの測定をしました。( DER EE DE-5000 )

最初に、測定器 DE-5000をopen shortのキャリブレーションを行い、DCRモードで測定しました。

・117V              BLACK-BLACK ➡ 14.19 Ω 

・300V-0-300V RED-RED ➡ 740.5 Ω

                        RED-RED/White ➡ 381.2 Ω   

                          RED-RED/White ➡ 357.3 Ω 

・5V                YELLOW-YELLOW ➡ 0.19 Ω  

・6Vct             GREEN-GREEN  ➡ 0.20 Ω  

                       GREEN-GREEN/White  ➡ 0.12 Ω  

                       GREEN-GREEN/White  ➡ 0.13 Ω   

中点がある巻き線は、単純に足し算にはなりませんでした。 

この値を参考に、不明な電源トランス端子を憶測できそうです。

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