2006年10月25日

Mini Amp(117L7/M7 シングルアンプ)

2006年に製作したアンプです。117L7/M7は、1本の中に半波整流管とビーム管が入った複合管です。整流管の117Z6を入手した際に、GEのTubeマニュアルをながめていたら、偶然この球を発見しました。 価格も廉価でTUNG-SOLの軍箱入り新品が1本1,200円でした。
今回、初めて「P-G帰還」を採用し、帰還量を可変できるようにしました。(1MΩVR+500Ω)最大位置(500Ω)で無音状態になりますが発振はしません。418A(T)のアンプで使用したものと同じインダクタンスの小さいOPTを使用したため、3極管接続にしています。また、上面左電源トランス前の空いた土地を利用して、整流器をシリコンダイオードと音色比較ができるように6X4差換え用の7Pのシリコンダイオードをスイッチで切り替えできるようにしました。シリコンダイオードに切り替えても、プレート電流は、1mAの上昇です。また入力トランスのSEC側とカソードは、初めて「ウエスタンつなぎ」と呼ばれている接続方法を採用しました。59Aや69Aの前段を参考にCとRを各2個を使いました。(WEのアンプを調べると、3つの接続方法があります。①CとRを各1個使う回路。②Cを2個とRを1個使う回路。③CとRを各2個使う回路。) また、プレート接地の半波整流も今回が初めての採用です。この場合ハム成分は、全波や両波と違い、50Hzになります。今回のアンプは、ほぼノーハムでした。
「P-G帰還」と「ウエスタンつなぎ」の効果で、インダクタンスの小さいOPTから低音が出るようになりました。→とても不思議で、びっくりしてます。 特に「ウエスタンつなぎ」の効果が大きいです。
新先生、ご指導いただきありがとうございました。


背面上部の赤黒チェック端子は、カソード抵抗にシリーズで10Ωの抵抗をつけて電圧を測定する為のものです。0.27Vだとプレート電流は、27mAということになります。この測定にはデジタル式のマルチメーターが必修です。電源のコネクターは、テクトロのオシロに使用されている横だしのケーブルが使用できるように、スピーカー端子方向と逆の方向にケーブルが行くようにコネクターの上下を決めています。
                                                                                              
電源用のチョークは、土地が無かったため、内部に収納しました。OPTの許容電流が30mAのため、カソード抵抗は手探りで決めましたので、簡単に交換できるようにネジで取り外しできる圧着端子を使用してます。スピーカー端子近くのものがその抵抗で、結果的にパラレルに接続されるバイパスコンデンサーも簡単に交換できます。容量を変え、音色の変化を楽しむことができます。トラブル時の内部へのアクセスを容易にするため、チョークや真中にある青いケミコンも圧着端子とソケットを使用し、ハンダごてなしで取り外しが可能です。
また、塗装に初めて、イサムの2液アクリルウレタン樹脂塗料を使用しました。このスプレー塗料には、茶とグレー系がないのがとても残念です。新色の発売を期待してます。
塗装は、本当に難しいです。この塗装は非常に強固ですが、下地剤や吹き方に細心の注意が必要です。今回は塗装マニュアルも作成しました。作業は失敗だらけでしたがとても良い教訓になりました。特に今回の塗装では、KAHNさんという方に多くの貴重な塗装ノウハウをご教示いただきました。この方が持つもの作りに対する姿勢には敬意を表します。ありがとうございました。次回こそは成功したいと思っています。

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